方位術とは

由居世舟の方位術雑感

 

九星気学の方位術に関する情報は、意外とみなさんの周りに氾濫しています。

 

「神社に新年のお参りをしたついでに、今年の良い方位が書いてある本を買ってみた」
「引越しをするときに、いつごろどの方位がいいか占ってもらった」
「事業を拡大したいと占い師に言ったら、新たな店舗は○○の方角に持つといいと言われた」
こんなご経験はありませんか？

 

日々占い相談を受ける中で、お金があれば宇宙旅行にいけるくらいに科学が発達した今日でも、いまだに引越しのときに方位を気にする方が多いことに、正直驚きを感じますし、それだけ九星気学が日本の暮らしに浸透しているのだと改めて感心させられます。

 

私は、九星気学は一種の哲学であり、本来、論理的に捉えて人生に活用していくべきものと考えておりますが、方位術は少々様相を異にします。

方位術は、良い方位に移動してしばらく過ごすことにより、その方位の有する開運効果を身につけることができるというものです。そのため、九星気学は、後天的に人生を変えることができる唯一の占術として愛好されてきました。

しかし、そこに納得いく理屈を見出すことは困難です。良い方位の大気や水を摂取することで、体内の狂った磁場を微調整するとか、体内滞った悪い「気」を排出して良い「気」を取り入れるとか言いますが、この開運方法が本当に効果があるかどうかは、論理的にも、科学的にも証明困難です。実際に体験し、体感していくしかありません。

ただ、もしも、あなたが今、悩みをかかえ、行き詰まりを感じ、そして打開策を思いつかなかったり、打開していく気力が衰えていると感じるのなら、気晴らしに、開運の方位に旅をしてみたらどうでしょうか。旅があなたに知恵と活力を与え、再生させてくれるかもしれません。

 

あの有名な「トムソーヤの冒険」を書いたマーク・トウェイン（Mark Twain）はこう言っています。

Travel is fatal to prejudice, bigotry, and narrow-mindness, and many of our people need it sorely on these accounts. Broad, wholesome, charitable views of men and things cannot be aquired by vegetating in one little corner of the earth all one's lifetime.

（意訳：旅は、偏見や偏狭な考えをなくしてくれる。だからこそ、私たちの多くは、切に旅を必要とする。ちっぽけな世界の片隅でボーっと一生を過ごしていては、 広くて健全で寛容な視野を手に入れることができない。）

 

旅をして、いつもよりほんの少し自由な視野にたって、もう一度、本当の自分と本当の自分の願望を見つめなおしてみませんか？

ちなみに、開運の「吉」方位に３度引越しをすると貧乏人でも立派な家が建つようになるといわれます。馬鹿げた話ですが、実際にそれを体験した人を何人も拝見しております。方位術の効果というよりも、開運のためだけに何度も引越しをするほどの、ご自身の開運への執念が実を結んでいるのだろうとは思いますが・・・不思議なかぎりです。